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症例から学ぶ

色素沈着

原因

殺細胞性抗がん剤による慢性の手足症候群の場合、色素沈着も伴うことがあります。また、顔や爪などに境界不明瞭な色素沈着が起こることがあります。
抗がん剤により皮膚の表皮の基底層が障害されて、メラニンを生み出す細胞(メラノサイト)が刺激され、メラニン色素の合成増加あるいは排出障害が生じることが原因だと考えられています。抗がん剤やホルモンがメラニン産生を亢進させるというメカニズムも想定されています。

発現時期

発現時期に一定の傾向はありません。

外見的特徴と自覚症状

顔や爪、手足の末端などが黒くなるなど、皮膚の色素が濃くなります。【写真12、13】

  • 写真12

    写真12 色素沈着

  • 写真13

    写真13 色素沈着

顔に症状が出た場合は、患者さんにとってストレスとなり、QOLを大きく阻害します。

対処法・指導

色素沈着に対しては効果的な支持療法はなく、紫外線を避けるなど日常生活に注意した上で、経過を観察するしかありません。抗がん剤を休薬することで色は薄くなる場合があります。

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